♣理事長コラム11月号「楽しかった運動会 ご協力感謝します」

2020年11月05日

トピックス

花組さんの「夢の島のダンスパーティー」で開会した分散式の運動会。

最初のグループが、ちょっぴり緊張しながら笑顔いっぱいで真ん中の輪で楽しそうに踊ると、出番を待つ両サイドのグループが、一緒になって踊り出しました。

次のステージでも同じで、自分以外の2曲を踊り、結果、全員で一人で3曲踊って大満足の様子でした。「日頃の保育の一端も参観できて、とても幸せでした」

保護者のお父さんからご感想をいただきました。

コロナ対策等々が重なって、幼稚園での花組さんの育ちに遅れが生じるのではないかと心配していただけに、花畑を彩る子どもたちの笑顔とダンスにホットさせられました。

すっかり爺の気分で、花組の子どもたちがまっすぐに走る姿を見るだけで、目頭が熱くなる思いでした。

2部は、一段と凛々しく背筋を伸ばした竹組の登場。園庭に並んだ凛々しい姿も

立派で、一年の成長ぶりに目を見張る思いでした。お母さんにお願いして縫っていただいた龍の衣装を輝かせて踊る「龍神復活の舞」。

子どもと先生が一体になって舞う姿に凛々しさと感動が伝わり拍手、拍手でした。

健伸幼稚園の運動会は、伝統的に年長松組を中心に、3歳4歳5歳の三年間の成長過程に沿ったカリキュラムを基に構成しているだけに、子どもたちの気持ちが高揚しないと成立しません。

夏の松組の宿泊保育等が中止になったこともあり、子どもたち一人ひとりの友だちと関わって育ち合う場づくりができていない段階では、フラッグもチアーダンスも形だけの演技になってしまい

かねない心配がありました。

年長の教務会議で、子ども同士の話し合いの上で、考え、行動する『場』を多くして、子どもが主体的に取り組んでいく「場づくり」の機会を多くしたことが、良い結果を生み、9月中頃から

目に見えて成長してきました。

特別に組んだ鋸山のトレッキング、栗拾いの観光バスでの園外保育を通して、年長児は、意欲的に行動して、挨拶や動作も明るく楽しく過ごす姿が見える様になりました。

10月に入ってわずかの期間、まぶしいぐらいに竹・松組の子どもたちの背筋が伸びてきた様に感じられました。

あらためて運動会ありがとうございました。分散開催等、参加人数の制限等、さまざまなお願いにもかかわらず、ご協力いただいたおかげで無事盛会に終了できました。母の会始めご協力感謝

申し上げます。

この運動会を通して、花組さんは自分の位置が安定して自分の位置が見えてきたことでしょう。

幼児から児童に成長していく竹組さんもその第一歩を確認出来ました。

そして松組は一人ひとり全力を尽くせば、花が咲くという「共に育つ」という達成の喜びを実感できたことと思います。

                                                                       秋は子どもが成長していく季節です

ビオトープの清掃をしている私の周りに年長さんが集まってきました。

友だちの話を自分の心に受け止めて、自分の脳に相手の言葉や話しているイメージを映像として受け止めることができるようになるので話が弾みます。

m「ピンポン玉は軽いから、浮くけれど、どうして ゴルフボールは重いのに浮かぶのかなぁ?」

s「ちがうよ、小さいから浮かぶんだよ」

m「ちがうよ。かるいからだよ」

p「それじゃスイカは?お餅は?」

s「お餅?お餅は四角いから しずんじゃうよね」

m「すいかは、重くても丸いから浮かぶんだよ」

s「お豆腐は四角いから浮かばないんだ」

m「水を吸うから、お豆腐はしずむんだよ」

「豆腐は、しばらく浮いていても水を含めば沈んでいく」という学習は小学校の理科の時間で習うことだろう。今は、なぜスイカは沈まないのか、不思議に思う段階でよいのであろう。

この時期になると、年長の子どもが話す内容も、文法的にしっかりと構成されて目で見たこと、身体で経験したこと、心で感じたことを集めて、まとめてお話を作ることもできるようになります。

「実際にあったこと」と「こうなったらおもしろいなぁ」と思ったことを上手にまとめることもできるようになります。うそと本当の区別が解っていて、うそをつくことを楽しむこともあります。

したがって、うそは子どもらしい空想の作り話でもあります。時には、お父さんが、もっと非現実的でありえないドラエモンの世界のようなお話をしてくださるとこんなことで子どもは喜ぶの

かと思うほど喜びます。

脳が活発に成長する時期に、記憶に頼るような学習で幼児期の大半を過ごすのはもったいないと思います。脳が柔らかくぶるぶると震えながら躍動する時には、もっと脳が躍るような情報を与

えてみることも時には大切と私は思います。

お茶の水女子大学の内田伸子教授は、「特に害が無ければ、子どもの嘘の様な話にも耳を傾ける心も必要。6歳位の子どもは、嘘話をしたくてうずうずしているのでしょうから」とお話をして

います。

内田教授は「5歳と9歳は、人間が生きていくうえでのアンテナとなる脳の前頭連合野が形成される大切な時期」と提唱しています。

「9歳になると、脳の発達は、前頭連合野のシナプスが、ネットワークされて、意志力、判断力、モラル、情緒が著しく成長して脳の完成期に入る。しかし、9歳の子どもの多くが「応用力の

壁」をクリアーできにくい状況にある」

「幼児期に主体的に外遊びで得た経験は、考えるという思考能力となり、想像力という能力を育てていき9歳の壁を打ち破る知恵となっていく」と語っています。

内田さんは、脳の働きを具体的に分析しながら、「叱られながらやった勉強は身につかない。なぜなら、偏桃体が緊張や不快感を感じると、海馬が失敗例を思い出して真っ白になる。逆に偏桃

体が面白い楽しいと感じると情報伝達物質が送られ、海馬を活性化して記憶の貯蔵庫にどんどん蓄える。

難関学校突破組の多くは、幼児期に生き生きと泥んこになって遊んだ子が多かったというデーターがある。」と結んでいます。

保育者や保護者にできることは、子どもの考えを先に進める足場をかけてあげることまで。どの足場を上り、どちらから上がり、どんな作業をするか、決定するのは子ども自身である。」と指

摘しています。

まったくその通りだと思います。