♣3月号 飛べ 健伸の子よ♣

2016年03月01日

理事長コラム

「さぁー春ですよ。」
卒園していく松組さん、「幼稚園での生活は楽しかったですか?ピカピカのランドセルを背負って小学校の門をくぐる日も間近ですね。残り少ない幼稚園の生活をいっぱい楽しんでください。」
私は、創立以来、巣立っていく子どもたちに「小学校の4年生に進級したときそして中学校2年生になった頃、幼稚園の卒園アルバムを開いてください。」と語り続けてきました。
「なぜ、4年生と中学2年生?」
「なぜなら、昆虫は11回も脱皮するんだ。人間も身体が大きくなると、心も何回も脱皮するんだよ。特に、小学校の4年生と中学2年の頃は、心も身体も大きく育つために脱皮するんだ。脱皮をするためには、自分の知恵で身体で考え、工夫する力が必要になるんだ。幼稚園でどろんこになって、あそんだ時に身体にすり込んだ力が役に立つんだ。幼稚園のミズキ木の高い木に登って、降りられなくなった時、真剣に考えて工夫して降りられた時に学んだチエが役に立つんだ。他にも何回もチャレンジした縄跳び、自転車、コマ回し、鉄棒、跳び箱をクリアーした達成感は・・・・みんなの骨になり知恵になり脱皮の時の力になるんだね。」
健伸幼稚園で3年間、君たちは、冒険心にあふれる子どもだった。好奇心を持ち意欲に満ちあふれる子どもだった。 ドキドキしながらお化け屋敷ごっこを楽しむ子どもだった。落とし穴を作って先生が落ちるのをクスクスしながら待っているいたずらっ子だった。花組の時に逃げ惑った赤鬼、青鬼と作戦を立てて勇敢に戦う年長さんだった。

     友だちと心を分け合ってあそべる子ども

「子どもは子どもらしく」育ってほしいと願って、先生たちも君たちと、ドロンコになって夢中で遊んできました。
これから小学生としてさらに「子どもらしい子ども」に育ってほしいと願っています。

小学生になったら、
①一に元気、二に元気、明るく元気に挨拶しよう。
②心を込めて「ありがとうございます。」
③早寝、早起きしっかり食べる生活習慣を身につける。
④お友だちの心に映る自分を正そう。
⑤心を広げて、友だちを心の中に住まわせてあげよう。
⑥話す人の目を見てお話を最後までしっかり聞こう
⑦本物の素敵な出会いに感動し、チャレンジしよう。
⑧興味を持とう、調べよう、やってみよう、繰り返そう。
⑨机に向かう習慣をつけよう。本を読もう。夢を語ろう。                                                                  ⑩人の役にたてる喜びを実感しよう                                                                             ⑪しっかりと自分を主張して、友だちの話も聞こう。                                                                   ⑫自分の特技を磨こう。自分を鍛えよう。                                                                          ⑬自分を大切にしよう。自分を好きになろう                                                                        ⑭自分のことをぼく、わたしと呼ぼう。

 

       夢を持とう目標を持とう

私は、七十歳を過ぎても、夢を持ち続けています。
いつも夢を広げ、心をときめかしたりします。
日本の民話やおとぎ話、グリム童話やアンデルセンの世界は、ドキドキするような怖い世界でもあり、残酷な世界でもあります。子どもは、怖がったり泣いたりしますが、本当は、そっと恐ろしい世界を覗いてみたいのかもしれませんね。谷底に突き落とされるような怖い夢を見て、ハットして夢から覚めた時、側にお母さんやお父さんがいてくれる現実の世界にホットする。その度に両親への信頼感を深めるのでしょうね。
おとぎ話は、語る人がその話が好きで何回も何回も子どもに読み聞かせ、語り聞かせを楽しむことが大切です。
本当の恐怖や残酷さを知らないままに育てられた結果、残虐な犯罪やいじめに走ったりする事例が多々あります。
泥舟に乗せて沈ませ、おなかに石をつめて沈めるという残酷な話も、昔の人たちは「悪いことをすると、こんな罰があるのによ」と戒めの事例として教育しました。
現在は、昔からのおとぎ話の世界もディズニーの手法にかかれば、ハッピーエンドで終結します。子羊をだまして食べてしまった狼でも、心を入れ替えて「ごめんなさい」と謝れば、許されて楽しい仲間になる筋道を皆さんはどのように解釈されますか。難しい問題です。ご家庭でも話し合ってください。
健伸の園歌に「踏まれて、まみれて、なお、のびる。青あおき麦の芽のように、世に立ち正しく生き抜くぞ」という歌詞があります。昔の農家は麦の芽を足で踏むことで逞しく生長させるために麦踏をしました。健伸マークの麦は麦踏のたくましさの象徴です。作詞をした私としては、子どもたちが成人したいつの日か、改めて『踏まれてまみれて なお伸びる」と口ずさむ日を思い描いています。
土と水にまみれ、太陽を浴び、緑に親しむ体験を通して子どもは、強くたくましく成長していくのですね。
さぁ 春の訪れです。
「飛べ、健伸の子よ 往くは、はてなき大宇宙」
松組122名の子どもたちが健伸から羽ばたきます。
3年間よく遊び。思い残すことなく遊び学びました。
松組さんおめでとう。そして保護者の皆さん送り迎えありがとうございました。
無事学年末を閉めることが出来ました。母の会を始め各ご家庭の温かきご支援を心から感謝申し上げます。