♣5月号 お父さんとあそぶ ♣
2019年04月24日
大学で講義していた10年前は、話しながら次々に沸いてくるイメージを脳で組み立てて話すことができました。
ところが最近は、テレビ番組の「笑点」の林家木久扇師匠のように指名された瞬間、頭が真っ白になってしまいそうな気がします。
「ハイ! ハイ!」と元気に手をあげていた子が「さぁどうぞ」と指された瞬間、真っ白になってしまう状況に似ています。
したがって今は、子どもと会話しているときがとても幸せです。
K君「抽選会には、電動自転車をだしてね」
「値段が高いからむりだとおもうよ」
K君「ゲームのかずをへらせば、どぉー?」
「景品の数が少なくなるからムリだとおもうよ・・」
K君「それもこまるね。ママが電動ほしいっていってるの・・・」
K君「郵便局のさか しってる? あそこたいへんなんだよ」
ビオトープの工事で小さな生き物をプールに移した。そのままうっかりしていた。大きな鯉を二匹いただき、只野先生がプールに放流した。年長のM君、「ただのせんせいにいって、、、ザリガニや金魚やヤゴが鯉に食べられちゃう」
4月の始業式。年長になったK君、ヘルメットをかぶって追いかけてきた。小さな声で「電動自転車にのってきたの。坂道も妹と三人乗りらくだったよ」「ババがママにプレゼントしたの。ぼくがたのんだんだ」「よかったね」「うん すごくよかった」
ビオトープの件は、まだ解決しない。「M君になんて伝えたらいいんだろうか」
幼児教育は「人間の生きる力を育てる場」と思ってます。
「四つ」、「五つ」、と「つ」で数える「九つまでの年齢」の時に子どもは地中に根を張るように「人間力」を大きく育てます。
特に、幼稚園で人との関わりを学ぶ「三つ」
友だちの心の中に自分を映す「四つ」、
友だちと関わって自分をコントロールする五つ」の年齢。
幼児期は、心の発達も表現力も大きく成長していきます。
その成長の大きな視点は、周りを見る目、視野がずーっと広がってきます。四才のお誕生を迎える頃から、友だちや家族、周りの人たちとの関わりが、見えてきて、周りの人を受け入れられるようになってきます。この年齢の成長が大切な役割をします。
国会でも話題になったヘッグマン教授は、「幼児期における質の高い教育の重要性」について下記のように述べています。
①「就学前に質の高い専門的な教育刺激をうけておかないと、その時期にしか発達しな
い能力が発達しない」
②「就学前における能力の発達があれば、就学後における教育の効果は大きくなる。
③それが無ければ、就学後の教育効果は小さくなってしまう。
三歳から六歳の幼児期に、専門家が編成した「質の高い教育カリキュラム」提供されることで、「幼児は、これからの人生をたくましく自信を持って生きていくためのアンテナを錬磨していく」ことになるということですね。
六歳までの学習は、「まねび」です。子どもの成長は周囲から優れた情報を集め、模倣する「学び」(learning)が大切です。
教え育てるよりも、自分で学んで自分を育てる方法を気づかせてあげるほうが力となるはずです。
子どもは、成功と失敗を繰り返して成長していきます。子どもの意見や質問に、私たちは、耳を傾け、適切な助言を与えられるように努めたいですね。
この幼児期に友だちとじゃれあって学びあう経験が少ないと、応用力、創造性が問われる四年生の頃から中学生の時期に、環境に適応できずに、反発して、閉じこもったりする心配もでてきます。
子どもたちが小学四年生になって「幼稚園で学んだことが、役にたったなぁ」と、実感できる幼児教育を目指しています。
幼児期は、空想したり、工夫したり、それぞれのイメージをふくらませて夢中になってあそぶ年齢です。他人の心に自分を投影して、友だちの心に自分がどのように映っているかを考える。自分は何をすれば良いかを考える心が育つ年齢です。
自分の手でさわってみる、嗅いでみる、動かしてみる、等のあそびの体験を重ねることで、感性と表現力が育っていくのですね。
五歳になったら、「自分でできることは、自分で考え、自分の意思で行動しなさい」「やりたいこと、自分で、できること、そして、やらなくてはいけないこと、を しっかり考えてあそぼう」と伝えます。
子どもは、未知のものを「知りたい」「分かりたい」という本能的知識欲があります。答えは無限にあるはずです。みんな違っていいのです。
この「自ら育つ力」の種となる知識欲を萎ませてはいけませんね。この知識欲は生きるための「意欲」につながります。 お父さんの出番です。お父さんは途を照らすべき灯台です。
「ドラえもん」が、のび太の灯台であるように、お父さんは、子どもたちの途標になってあげてください。
お父さんとの遊びの中から、手加減やホドホドの意味など、人との関わり方を学び、気づくことがきっとできるはずです。