29年度4月号 ♣「子どもと共にある幸せ」♣
2017年04月07日
子どもと共にある幸せ
花がさいている。どんなに 花自らが嬉しいであろう。
花が満開している。どんなに 花自らたのしいであろう。
その、花自らの喜びを喜び喜びとし、
その幸福を祝う心、それが四月の真心である。
ただ、こっちの興味で、美しと眺め、
美しと賞するのみではない。
見よ、子どもらの生活が咲いている。
満開している。
かれら自らに、どんなに 快いことであろう。
どんなに 喜ばしいことであろう。
その、子どもらの幸福を
子ども自らの心に和して祝う心。
それが われらのまごころである。
倉橋惣三(四月)
日本の幼児教育の父として慕われる倉橋さんの子どもへの真の心を歌った詩。
満開に咲いた桜、さぞ、サクラは、自ら満足して咲き誇っているであろう。
桜に和して 桜の喜びを和して観賞するのが真の花見心。
子どもを理解する心も同じ。
子どもの心に沿って、子どもを見守り育てたいと願う
倉橋の子どもへの愛を込めて謳った
心の詩を思い出す四月。
四月の幼稚園は、柔らかな日差しを浴びて、子どもたちは、真綿のような花を咲かせます。
景気が停滞して社会全体がうっとうしい厚い雲に閉ざされ先行く道が見通せない時代。
しかし、子どもたちが生活する幼稚園は桜の花のように輝いて満開です。子どもと共にある日々に感謝し、子どもと共にある生活を楽しんでいます。
だいぶ以前になりますが、毎日新聞の「みんなの広場」に69歳の男性から心温まる文章が寄せられていましたのでご紹介します。
「34歳になる私の娘は、現在、幼稚園の教諭で勤続10年を超えた。職場は、毎日が楽しくて大満足だという。幼児は、日本の未来を担う大切な宝物だ。決して怒らずに、その宝物の子を育てるのが娘のモットーだという。優しく指導していると、日々成長していく姿に驚くほどの感動を覚えるという。このように毎日職場で楽しく働いているのは、まさに天職ではなかろうか。未来の宝を育てながら、楽しく働けるとは、何ともうらやましい職場だろう。
幼い子どもたちが成長し、どんなすてきな大人になるのか、今から楽しみだと娘が言う。
おもしろいことに、60路を歩く私の妻も未だに現場で、幼稚園教諭として第一線で働いている。さらに妻と娘は同じ幼稚園だ。親子で未来の宝を育成している。なんとも幸せで信じがたい。」
「保育園入れない。日本 死ね。」の怒りのメッセージが社会問題になりましたね。
そうした世相の中で、この文章に接して、子育てにおけるともすると忘れがちな「大切な何か」を感じさせられました。 子ども「育ての心」が忘れられると、それこそ日本の未来が死んでしまうのではないかと心配しています。
新学期のスタートです。
教職員一同、子どもを真ん中に子どもが輝く教育環境作りを目指してがんばります。