6月号 ♣子ども輝け命 生き生きと生きる自己肯定感の育ち♣
2016年05月19日
子ども輝け命 生き生きと生きる自己肯定感の育ち
まんまる
こんにちはぁ
ぼく せかいのヘソだよう
せかいは きょうも
いい おてんきだよう、(まどみちお)
三歳児は、まるの世界 クレヨンでぐるぐると回る世界。
やがて、そのマルから芽が出て、育って「自我」になり、
成人すると、「生きる力」に育ちます。
小さな山、トンネル、砂場のお団子、ダンゴムシ・・・
年少 花組さんは、丸いモノが大好きです。
ぼくがここに
ぼくが ここにいるとき
ほかの どんなものも
ぼくにかさなって
ここにいることは できない (まどみちお)
向かい合ってお団子を作っている時でも、仲良くお話をしている時でも、年少さんは、自分だけの自分中心の世界なのです。この「自我の芽」が、やがて、「生きる力の軸」となって支えてくれる力になるのです。ブランコのとり合いをして泣いている年少、やがて、周りがみえてきて、「いーち、にーいっ じゅう 」になったら、交代をします。
四歳のお誕生を迎える頃には、まん丸の中の「自我の芽」は触手を伸ばし四方八方に広がります。友だちの心に自分を映せるようになると、分かち合う思いやりの心を学習していきます。真の思いやりは、教えて身に着けるものではありません。
距離を置いて見られる自分が育つと、
「まぁるいタイヤに しかくい はこって なんだ?」の質問に、子どもたちは、画用紙にトラック、園バス、電車を描きます。バスの窓越しに手を振る友だちを描けるようにもなります。
年中、竹組さんは、手の指先の神経が発達して、箸、鉛筆、ボール・・・指先で道具を上手に使えるようになります。
道具を使う学習は、考え創造する力の源泉です。砂場あそびにも変化が出てきます。バケツに水を汲み、運び、友だちと話し合い、ダム遊びをしたりします。上から全体を見通せる目が育っていきます。
松組さんは、一日の行動スケジュールをイメージした上で、自分の位置を確認していく生活に慣れていきます。
その第一歩が田植え。田植えは、心と体、個と集団の直感的なバランス感覚が育ちます。手賀の丘のお泊まりでは、集団生活の中で、基本的なルールを経験していきます。
6月~7月は、年齢学年の差はあっても、集団の中で自分の居場所を見つける「自分探し」の大切な時期です。
例えば、三歳児の砂場での穴掘りは、最初は素手であそぶように道具はあまり出しません。 「あっ! なるほど便利なモノがあるんだ」と気づくことで道具のありがたさが学習できます。
友だちあそびを通して、思いやる心、順番を守ること、自分の思いを伝えること、友だちの気持ちを受け止め、仲良くあそぶためのルールを子どもが学習していきます。子どもが主体的に学習するためには、基本的なルールや約束を子どもに教えていくのも教師の役割です。
①道具の使い方
②人と関わるための自己表出と受容の仕方
③遊ぶためのルール、生きていくための基本的な心得・・・。子どもは遊びを通して学習します。
子育ては、「こうあらねばならない」ことより
受容して、認めて、ほめて、愛の心で、認めてあげることが大切です。自分で努力して、自分の力で苦労して成し遂げた「達成感」が、大きな成長のパイプになるのです。
幼児期で大切なことは大人のサポートの仕方です。
「ガンバレ」だけでは無く、「あなたならできる。」(you can do it)という子どもへの信頼です。「赤ちゃんの時、転んでもタッチして歩いたじゃない」「自転車、何回も転んだけれど、補助なしで乗れるようになったじゃない!」「あなたならきっとできるよ。」信頼する大人からの「魔法の言葉」は、子どもへのサポートになります。
「すごーい。何時からできるようになったの?年長になったらチャンピオンになれるね。」
大切なことは、自力で達成し、獲得した達成感の積み重ね経験です。その経験が、自信となり、「自己肯定感」として次のステップに繋がります。
私たちが受けた昭和の時代の教育は、ルールやきまり等「型」から入る「象のロープ」的な教育でした。
象をロープに縛って飼育すると、象はやがて、あきらめてロープを外してもロープの距離範囲しか行動しないという例え話です。人間の子どもも、大人の都合で育てられると、その枠の中でしか行動できない依存心が強く育ち、「自分でやりたい、やろう」という「意欲」主体性が育たなくなりっます。
まず、自分でやりたいという気持ち(意欲)を育むこと。
そして、やりたいことを自分でやれるように何回もチャレンジして、達成感を経験することが大切です。
「人間にとって大切なことは、仲間とのコミュニケーションをはかる能力。この人間関係を豊かにする力は、友だちとの関わりの中で学びます。
「友だちからものを学べない子どもや、友だちにものを教えることができない子どもは、社会的に成熟しない。」とエリクソンは、語っています。