8月号♣「生きる力は自然環境から培われる」モンゴルの子どもたち♣

2015年07月24日

理事長コラム

「生きる力は自然環境から培われる」モンゴルの子どもたち

夏休み、若い先生たちと一緒にモンゴルでの草原キャンプを体験したことがあります。

灼熱の日中も、日が落ちるとパオの中は薪をくべて暖をとります。

毛布にくるまって草原に寝転んで満天の星空を仰ぐと、人工衛星が回遊する姿が眺められます。

モンゴルの子どもたちは、小さいころから裸馬を乗りこなし、力と技、知恵と経験を磨いて草原を走り抜け

スピードを競い合います。

世界を制覇したチンギスハンの子孫たちは、良いことは即、判断し、勇気をもって実行する「直観力」を大切にします。

ウランバードルの寄宿生活から帰宅した12才の少年が世話していた牛が迷子になった。

母親は三日分の干し肉と羊の皮の水筒を用意し、父親は無言で馬を与え、一人で探索にいかせた。

「勇気と責任を果たす実行力を大切にしている。」という父親の強さに多くを学びました。

私は、早朝のウォーキング、公園の気が合う大樹に時々、抱き付いて樹から「樹気」をもらっています。

子どもは、身体の内からみなぎる「気」を発散します。時々子どもを抱いて新鮮な気を貰うといいですね。

何よりも若返りの薬です。気は活性剤です。「元気」の気、「気力」の気、「勇気」の気です。

日本人は米を食して気を養ったのでしょう、昔は「氣」と書きました。

子どもは、地面に近い位置で生活しているので、自然の環境であそぶことで「気」を身につけていきます。

子どもは、風船のように内側から外側に向かって気を膨らませて育ちます。

大人が風船を膨らませてあげるのではなく、子どもたちが膨らませるのです。

子どもたちは、この夏の日差しをあびて、自然の木々と同じように次の成長のステップとなる心の脱皮を

していきます。

その意味でも夏休みは自然に触れるチャンスです。

運の強い子を育てる。

「感性と直観力は、運を掴むポイントです。そして、「感性の豊かさ」に運がほほえむのです。

直感力、決断力、勇気、創造、表現力・・・学びは、原っぱやの山や海や河原のあちこちに、

かくれんぼしているはずです。

子どもたちの特技は、大人の目を逃れてちょっぴり隠れて、あそぶことです。

木登り、トンネル掘り、かわあそび・・・どれもこれも大人の目を盗んであそぶことで、

心がはずみあそびが広がります。しかし、いつも危険と隣り合わせです。

いつの時代も危険なあそびは子どもの心をとらえます。子どもの成長は、危険とタブーの隣りあわせです。

三菱の岩崎家ゆかりの大和郷会が、音羽の鳩山邸の近くに近隣の子どもたちのために

昭和4年「やまとむら」(大和郷)幼稚園を創立しました。

「ドロンコであそぶ子どもの自由を保障する。」

「自然と共にある生活から、子どもは考えることを学ぶ。」

が、この幼稚園の教育理念で、80年の伝統教育から日本のトップリーダーを輩出しています。

先の園長 向山陽子さん、現在の永田陽子園長とは、昔からの心を開いたお付き合いをしています。

今年も永田園長がスタッフを引率して見学にこられました。

私たちが見学で訪問した時、 向山園長は、

「植樹した木は、すぐには、花や実がならないと云われるでしょう。でも、やまとむら幼稚園の木は、

その翌年には花が咲き、実がたわわになるの。樹と木が助け合って競い合って咲く環境を大切にして

いるのよ。」と子どもの育ちを語ります。

「子どもは子どもらしく」の原点は「子どもを信頼して、子どもをそのまま受け入れることよね。」

永田さんは私に確認をとります。何気ない当たり前のことですが、「言うは易し行うは難し」ですね。

先般は、突然のアンケートご協力ありがとうございました。

集計中ですが、様々なご指摘、温かい励ましのご意見・・・謙虚に受け止め、改善すべきところは努力し、

子どもたちの保育に還元したいと考えています。

長い夏休みに入ります。お子さんをご家庭にお預かり頂きます。

今年は、7年に一度巡回してくる定期監査があり、夏休み中、研修や準備に終われます。

ご健勝にてお過ごしください。