6月号♣友だち感覚でお子さんと話して見ませんか♣
2018年05月23日
父の日に寄せて
友だち感覚でお子さんと話して見ませんか
6月は新緑が萌え、自然が躍動する季節です。幼稚園もこの季節長雨が続くと、あちこちに水たまりができます。年少さんは、ドロンコスベリに飛び出して、追いかける先生と鬼ごっこを演じたりします。子どもにとっては、枯れ枝のたまり場が、忍者小屋になったり、狭い裏の通路が、あそびの秘密基地であったりして、目の届かない幼稚園の隅々が、子どもにとっての「パワーポイント」になるんでしょうね。
安全面、衛生面に配慮しながら、子どものボウケン心やチャレンジ心を沸き立たせる環境づくりも大切です。
数年前のことですが、4歳になったMちゃんが、私を見かけて駆けてきて、目の前でハイタッチ。小さな両手を冠のように頭にかざしてかがむ。くねくねと立ち上がり、パッと両手を開く・・「これ なぁんだ?」・・。
「わかった。チューリップでしょう」「あたり~っ」と両手で丸をつくって立ち去っていきました。女の子ならではの身体表現。なんともほのぼのとした瞬間でした。
ことしも絵の講師を兼任します。子どもと一緒に絵を描いている時がとても幸せです。絵を描いていると、子どもたちがよってきて、いろいろと話が弾みます。先週も、園庭の片隅でスケッチブックに色づけをしていると、年長のK君が
「スケッチブック」をもってきました。
K「先生の絵、じょうずだね」「ぼくもかいていい?」
私「もちろん ウェルカムだよ」
K「じゆうに かいてもいいの? 」
私「すきなものを描けばいいよ。じゆうでいいよ」
K「せんせーしってる ぼくのママ うるさいんだよ」
私「それどういうこと?」
K「はを みがいた? おべんとう もった? いつも いうんだょ」
私「kくんが やるべきことをやらないから いわれるんじゃない?」
K「ママは うるさい パパもいってるよ でも ぼく ママだーいすき」
K「ぼく、いま おかねもちになりたいな」
私「どうして?」
K「だって ママが しあわせになれるから」
私「幸せって お金では 買えない と おもうよ」
K「お金が あれば、マンションも電動自転車も かえるよね」
私「電動自転車? マンション? きみのものは かわないの?」
K「たからくじ 1まんえん あたれば、マンション かえるんでしょう」
私「ママも先生も k君の気持ちだけで うれいよ あたるといいね」
6月は父の日です。「おとうさんありがとう」と感謝する日なのでしょうが、幼稚園でも「お父さんとあそぼう」のタイトルでお父さんのご来園楽しみにしています。
どうぞ お父さん、お気軽にいらしていただき、お子さんとご一緒に同じ目線になって気軽にあそんでみて頂ければ幸いです。
子どもたちは、この日をなんとなく てれくさそうに しながら、ちょっぴり緊張して、実はとても楽しみにしています。
子どもにとっては、お父さんは、お母さんとはちょっと異なった存在なのかもしれません。私も4人の子育て経験がありますが、妻の子どもへのかかわりは、自分のお腹を痛めて出産した自信からくる「思い」があるように感じます。
特に息子に対する「くすぐったいような父親としての子どもとの距離感」に比べて、母親は息子を丸ごと包みきれる愛着を感じます。あくまで我が家の子育て間ですが・・・・。
しかし、私のように父親の生活体験を持たない母子家庭で育った子どもでも、父親は「小僧の神様」で灯台の光です。父親は、いざとなれば途を照らしてくれる羅針盤なのでしょう。
そこで、ちょっと お子さんとの距離感を感じるお父さんへのヒントです。
「子どもとあそぶ時は、子どもになってあそびましょう。」
あそびの真髄は「強者が弱者にあわせる」ことだそうです。
「お父さんはキャッチボールを楽しまないでコーチになっちゃうんだ」小学生 3年生の作文です。
散歩に出てブランコをこぎながら、お父さんの幼い頃の思い出や夢を話してくださるのもよいですね。
4歳ぐらいになると、わが子も こんなことを考えているんだとびっくりさせられることがあります。「愛」について、「友だち」について、「幸せ」について、お母さんのことについて、そしてお父さんの仕事についても、「話し合って」みてはいかがでしょうか。この時期の子どもたちは、幼稚園で、穴の掘り方、友だちとのかかわり方、縄跳びのとび方、木の登り方、直観力、思いやり、判断力を見よう見まねで学習していきます。その過程でお父さんの人生のアンテナになる灯台の灯りは必要なのです。
これからの季節、日頃お忙しいお父さんが、アウト・ドアーなどでキャンプやハイキング、バーべーキュー等とお出かけになる機会が多くなると思います。
時間がとれないお父さん、仕事場にお子さんを連れて見学するなどは難しいことですかね。電車に乗って仕事先の商店街やビル街、工場見学などを散歩してみるのはいかがですか。
お父さんが話してくれる現実と空想がミックスされているお父さんの即興話は子どもにとって最高です。大人で云えば、定番通りの高級店よりも、時には、ガード下の屋台の焼き鳥屋を好むように、子どもも、同じ姿勢で大人が楽しんでくれる世界の法がずっと好んだりするものです。