9月号♣箸は世界に誇る和の文化♣

2015年09月18日

理事長コラム

          箸は世界に誇る和の文化

               いま、きみたちは

            なにをやりたいか 考えてみよう

            君ができること やってみたいこと

        君の願いを君の意見を親しい人にぶっつけてみよう。

 この夏休み健伸の森は、小学生で連日賑わいました。

大きな釜でご飯を炊いて、自分の目分量でおにぎりを握り、

畑で収穫した野菜を調理した味噌汁だけの昼食。

ゲームをしたり、木陰やツリーハウスで宿題や自由研究、ハンモックでの昼寝、

丸木のベンチで語り合った夏。

夏休みを小学生とどっぷり生活したスタッフの反省会。

「この夏は、卒園生以外の見慣れない子どもをみかけたね。」

「どうも子ども同士がさそいあって、くるらしい。」

素直でいい子が多かったが、経験不足もあって、目分量がわからない。自分で判断できない子が多かった。

T「自分で食べられる量と大きさを考えてにぎろう!」

K「このぐらいですか?」同じ質問を繰り返す。

T「自分のおなかと相談してみたら」 K「お腹って? 誰の?」・・・・。

「右手にお玉、左にお椀をもって味噌汁をよそえない。」

「三年生になっても箸が使いこなせない。」

一番多かったのは「何をすればいいですか?」指示待ちの子が多くなった。。

           自分で考え行動する経験

3歳から9歳の年齢期に、自分で考え、自分で自分をコントロールする「自律神経」が形成されます。

この年齢の時に、自分で考え、自分の力で判断し、学習する体験がとても大切です。

忙しい時代、承知の上、・・・子どもが、考え・行動する「間」を待てず・・・

つい「おせっかい親切」が過ぎてしまいますね。

こうした環境で育つと、「さぁー君の発想でやりたいことをやってごらん」と言われても、

「やりたいことがおもいつかない。何をやっていいのか」戸惑う子に育つ。

結果、「歯磨きは!」、「宿題は!」の子育てになってしまいかねません。

エドガーシャインは、幼い時から、「何ができるか」「何をしたいのか」「何をしなければならないのか」

の三つの要素を「幸せを見つける三つの輪」と提唱しました。

 

        「具体的にどのように育てたらよいのでしょうか?」

「何度言ったらわかるの!」は、タブーです。言葉で叱ってもまた繰り返されます。

体験を繰り返し、その都度、話し合って身体で学習する根気が大切。

例えば、熱い鍋から味噌汁をよそう。利き手の右手でお玉を持つ、そして左手でお椀を持つ。

観察すると、利き手でないお椀の持ち方が不自然。したがって、熱さのため味噌汁をこぼしてしまう。

左手でお椀を正しく持つことを繰り返して教え学ぶ。子ども自身が、「なぜこぼすのか、どうしたらよいのか」

考え工夫する学習なしに、「こぼさないで!」「またこぼしたっ!なんどいったらわかるの!」では、

その場はよくなっても、身につかないでまた繰り返すことにもなりますね。

 

        「箸を上手に使えない、子ども達がおおくなりました。」

実は、私も箸の使いかたが苦手で、いわゆる鉛筆握りです。そして、食事中に肘をつく癖が治らない。

したがって、食事のマナーについては、語る資格はありませんが、食事のマナーは、幼い時の生活から身に着けるものです。

一昔前の食生活は、貧しかったが、祖父母から、両親から、家族そろっての食卓から、

食事のマナーや箸の使い方を教えてもらいました。

さらに、おかずのとり方、お代わり仕方、残さずこぼさず自分の食べられる目分量も学習しました。

配膳の仕方、後片付け、家族で一日の出来事を話し合う食後の団欒は、人の営みを学ぶ宝庫でした。

近頃は、家族バラバラで、それぞれの場所で、異なる時間に異なるメニューの食事を摂る家庭も多くなりました。

今や、家族だんらんの食卓は、「サザエさん」の世界になってしまいましたね。

先日、教員養成大学の先生から「家庭で教えられたこと」というプリントをいただいきました。

参考のために、そのいくつかを挙げてみました。

         握り箸、親指を突き出す持ち方はしない。

          肘をついて食べてはいけません

          口に食べ物を入れて話してはなりません。

          箸と箸で食べ物をわたしてはなりません。(納骨作法)

          ごはんに箸をつきささない。箸で皿を動かさない(よせ箸)

          はしをなめてはいけない(ねぶり箸)

           取り箸がない時は箸を逆さにしておかずを取り分ける。

あれこれ箸を宙に浮かさない(迷い箸)

最初の一口はみそ汁のつゆだけ、つぎにごはんを一口。

ごはんをおかわりする時には、一口茶碗に残す。

おかずは直接口に持っていかず、取り皿にいったんとる。

食器に口をもっていくのは犬食い、食器を口に近づけること。

みそ汁は右、箸を添えていただく。ごはんは左。

ごはんはシャモジ一回でもらず、それに少し足すこと。

寝転がったり、立ち食いはしない。

時代の背景も変わりました。それでも、世界中で和食が注目されています。

国際人としてのマナーとして、正しい箸の使い方を和食の伝統ある文化として幼児期に身につけたいですね。